100年前にもあって100年後にも残っている。そんな普遍的な病院を目指します。

病気を見つけるポイント

まず、ネコの起源が関係していると言われています。祖先が砂漠の動物であったことから、少量の水で生きていくことができます。飲料水が少なくても体に水分を貯めておくことが可能であり、少ない濃い尿を作ることができるのです。
少量の尿の中にギュッと老廃物を濃縮させて詰め込むことができる、とても高機能な腎臓をもっています。
しかしその高い性能ゆえ、腎臓の構造自体に負担をかけ壊れてしまうのです。こういったバックグラウンドがあり、腎臓の病気が多いと考えられています。

近年、ペットとして家で大事に飼われるようになりとても長生きするようになりました。 しかし長寿になった反面、高齢化による腎臓病のネコちゃんがとても増えています。

水を頻繁に飲む(多飲)、尿の量が増えた(多尿)などに気がついたら、腎臓の病気を疑ってみてください。
腎臓の機能が衰えると水をたくさん飲むようになり、薄く、臭いのしない尿が大量に排出されます。
また食事の量・体重などにも変化が見られたら、早急に受信されることをおすすめします。

慢性腎不全のチェックポイント

□食欲不振
□体重減少
□水をよく飲む
□おしっこの回数が多い
□骨の弱化(子猫や老猫)
□貧血(ふらついて口内粘膜が蒼白)

腎臓病の検査

■尿検査
pH値(酸性かアルカリ性か)
尿比重(USG)
UPC(尿蛋白クレアチニン比)
SDMA
などを調べます。

■血液検査
血液検査ではBUN(血中尿素窒素)、Cre(クレアチニン)、といった老廃物の数値が上昇していないかどうかを調べます。

腎臓病の治療

すでに腎臓病の症状が出ている場合、腎臓に老廃物を排出する力がなくなっていることが多い。
その時には脱水の改善、ナトリウム濃度の改善、高リン結晶の改善、代謝性アシドーシスの改善等のための
点滴を行うことが多いです。また、十分な水分を補給させることも重要です。
合わせて腎臓の血流をあげる薬やリンを抑える薬の投与、BUN・リンを下げるサプリ等を併用する場合もあります。
食事療法としては、腎臓の負担になりやすいタンパク質やリン、塩分などを抑えた食事に切り替えます。
水分が足りない場合には缶詰等のウェットフードに変える場合もあります。
ただ、難しいのはネコの場合、嫌いな味だとなかなか食べてくれません。
また、腎臓病が進行すると食欲低下がおきますので、どうしても食べてくれない場合、
飼い主様と相談の上、通常の食事に戻す場合もあります。

やはり、食べられなくなったネコちゃんをみるのはつらいものです。
慢性腎不全は長い期間治療が続きますので、飼い主様も悩まれます。
少しでもネコちゃんの苦しい思いを取り除いてあげるように、
飼い主様と話し合いながら、治療をすすめてまいります。